Linux で L-04C の root 化とカスタムリカバリ導入
Created at: 2013-07-20 12:29:26
先日、L-04C の root 化とカスタムリカバリの導入手順を記事にしました。
Windows での作業を説明したものでしたが、今回は Linux で作業する手順を説明します。
- 補足
- カスタムファームを導入する場合は「L-04C に カスタムファームを導入する」をお読みください。手順は同じですから今回は説明しません。
作業は以下の環境で行いました。
- PC
- Linux Mint 13 Maya 64bit
- 端末との adb 接続確認済み
- 端末
- 公式ファーム L-04C-V10g
- 作業前に KDZ Updater でリカバリした状態
PC から端末に adb 接続できることが必要です。作業の前に環境を構築しておいてください。
ダウンロードするもの
ダウンロードが必要なのは l04c_root_v3.zip と l04crecovery_v5.zip です。
l04c_root_v3.zip
配布元は にゃののん日記 さんです。以下のページからダウンロードできます。
このファイルには L-04C をカスタマイズするためのバッチファイルが収められています。元は Windows 用ですが、今回はこれをシェルスクリプトとして実行します。
l04crecovery_v5.zip
配布元は y-log.net さんです。CWM Recovery Installer v5 の配布ファイルですが、今回の作業では同梱されている recovery.img と flash_image のみ使用します。
ダウンロードの方法などは L-04C に カスタムリカバリを導入する を参考にしてください。
作業の準備
前章で挙げた、l04c_root_v3.zip と l04crecovery_v5.zip をダウンロードします。保存先は任意ですが、ここでは ~/work に保存したものとします。
~/work$ ls
l04c_root_v3.zip l04crecovery_v5.zip
ファイルを展開します。
~/work$ unzip -d l04c_root_v3 l04c_root_v3.zip
~/work$ unzip l04crecovery_v5.zip
Linux 用のディレクトリを作成します。ディレクトリ名は任意です。
~/work$ mkdir l04c_root_v3-linux
この段階で ~/work の中は次のようになっています。
~/work$ ls -p
l04c_root_v3/ l04c_root_v3.zip l04crecovery_v5.zip
l04c_root_v3-linux/ l04crecovery_v5/
l04c_root_v3-linux に移動します。
~/work$ cd l04c_root_v3-linux/
~/work/l04c_root_v3-linux$
必要なファイルをここに揃えます。l04c_root_v3 の root.bat を、改行コードを LF に変更して保存します。
~/work/l04c_root_v3-linux$ nkf -Lu ../l04c_root_v3/root.bat > root.sh
cwm.bat も同じ手順で保存します。
~/work/l04c_root_v3-linux$ nkf -Lu ../l04c_root_v3/cwm.bat > cwm.sh
l04c_root_v3 から su をコピーします。
~/work/l04c_root_v3-linux$ cp ../l04c_root_v3/su ./
l04crecovery_v5/files から flash_image をコピーします。
~/work/l04c_root_v3-linux$ cp ../l04crecovery_v5/files/flash_image ./
最後に、l04crecovery_v5 の recovery.img を cwm.img という名前にしてコピーします。
~/work/l04c_root_v3-linux$ cp ../l04crecovery_v5/recovery.img ./cwm.img
この段階で ~/work/l04c_root_v3-linux の中は次のようになっています。
~/work/l04c_root_v3-linux$ ls
cwm.img cwm.sh flash_image root.sh su
これで作業の準備は終了です。
root 化の実行
実行はいたって簡単です。以下の手順を実行してください。
- 端末の「USBデバッグ」を有効にします
- PC と USB 接続します
bash -x root.sh
を実行します
処理内容を確認したいので、オプションの ‘-x’ を指定しています。確認が必要なければ不要です。実行した画面は次のようになります。
~/work/l04c_root_v3-linux$ bash -x root.sh
+ adb kill-server
+ adb start-server
* daemon not running. starting it now on port 5037 *
* daemon started successfully *
+ adb wait-for-device
+ adb shell 'echo 1 > /data/local/lge_adb.conf'
+ adb reboot
+ adb wait-for-device
+ adb shell 'mount -o rw,remount /system /system'
+ adb push su /system/xbin
490 KB/s (22228 bytes in 0.044s)
+ adb shell 'chown root.root /system/xbin/su'
+ adb shell 'chmod 6755 /system/xbin/su'
+ adb shell 'rm /data/local/lge_adb.conf'
+ adb reboot
+ adb kill-server
~/work/l04c_root_v3-linux$
エラーが表示されなければ root 化は終了です。
カスタムリカバリの導入
以下の手順を実行します。すでに「USBデバッグ」で接続されているなら 3. のみを実行します。
- 端末の「USBデバッグ」を有効にします
- PC と USB 接続します
bash -x cwm.sh
を実行します
実行画面は次のようになります。
~/work/l04c_root_v3-linux$ bash -x cwm.sh
+ adb kill-server
+ adb start-server
* daemon not running. starting it now on port 5037 *
* daemon started successfully *
+ adb wait-for-device
+ adb shell 'echo 1 > /data/local/lge_adb.conf'
+ adb reboot
+ adb wait-for-device
+ adb shell 'cat /dev/mtd/mtd2 > /data/local/tmp/recovery.img'
+ adb pull /data/local/tmp/recovery.img
7035 KB/s (5242880 bytes in 0.727s)
+ adb shell 'rm /data/local/tmp/recovery.img'
+ adb push flash_image /data/local/tmp
202 KB/s (9640 bytes in 0.046s)
+ adb push cwm.img /data/local/tmp
2215 KB/s (4274176 bytes in 1.883s)
+ adb shell 'chmod 755 /data/local/tmp/flash_image'
+ adb shell '/data/local/tmp/flash_image recovery /data/local/tmp/cwm.img'
+ adb shell 'rm /data/local/tmp/cwm.img'
+ adb shell 'rm /data/local/tmp/flash_image'
+ adb shell 'rm /data/local/lge_adb.conf'
+ adb reboot recovery
+ adb kill-server
正常に終了した場合、端末 はリカバリモードで起動します。必要な処理があれば実行し、最後に reboot system now で再起動してください。
最後に
今回の作業でカスタムリカバリの導入までは完了です。この状態になれば、カスタムファームの導入も可能になります。冒頭にも書きましたが、その場合の手順は以下の記事を参考にしてください。